漫画「魔都精兵(まとせいへい)のスレイブ」の面白さを解説します。

橙的に面白いと思ったポイント

最初に管理者がこの作品を面白いと思ったポイントを紹介します。

・女性中心となった日本が舞台となっている。

・主人公は異世界に転生や転移していないが、異世界のようなところに行くことになる。

・主人公の特技が炊事洗濯や裁縫などの家事全般。

・ハーレム状態になるが、主人公に主導権がない。

1巻のあらすじ

数十年前、「魔都」と呼ばれる異空間との門が各地に発生した日本、その魔都には食べると女性だけに特別な力を与える「桃」と人を襲う「醜鬼」と呼ばれる怪物が存在します。

桃の特別な能力により、女性優位となった日本に生きる、炊事洗濯から裁縫までの家事全般が得意な高校生、和倉優希(わくらゆうき)突如発生した門に迷い込み醜鬼に襲われます。

醜鬼に襲われた優希を、魔防隊七番組組長の羽前京香(うぜんきょうか)が助けようとするのですが、多くの醜鬼に囲まれピンチになります。

ピンチを脱するため、京香は自身の能力について説明し、優希を「奴隷」にします。

奴隷となった優希の力は強く、数十体の醜鬼を一瞬で破壊し、100体以上が合体した大型の醜鬼も秒殺してしまうほどでした。

奴隷化した優希の力でピンチを抜け出し、元の姿へと戻った優希にこれからも京香の奴隷として働くよう話しながら突然、優希にキスをします。

京香の能力には「代償」があり、奴隷の働きに見合った分だけの褒美として、奴隷の望みを叶えなければならないというもので、働きに見合った分の褒美を与え切らなければ体の自由が利かず、終わらないのです。

初めての褒美は京香からのキスで、醜鬼の倒れる魔都のど真ん中でキスをする優希と京香。

家事全般の能力と、奴隷化した時の力を見込まれた優希は、魔防隊七番組寮の管理人として赴任することになります。

七番組には京香のほかに、東日万凛(あずまひまり)駿河朱々(するがしゅしゅ)大川村寧(おおかわむらねい)などの組員がいます。

男を毛嫌いし何かと突っかかる日万凛、女子高上がりで男に興味津々の朱々、先輩として優しく助けてくれる寧、そして特別な能力なしでも強くかっこいい京香たちによって七番組は構成されています。

1巻にはほかにも

・朱々に優希がいろいろとちょっかいやいたずらを掛けられながら仲良くなっていく話

・京香の故郷を優希と京香が訪れて、京香の幼いころを回想する話

などがあります。

気になる方は是非、1巻を読んでください。

出典:魔都精兵のスレイブ コミックス1巻の表紙より

橙がなぜ面白いと思ったのか

・女性中心となった日本が舞台となっている。

魔都に存在する桃によって特殊な能力を得られるのが女性だけという状況により、力ですらも勝てなくなった男性は当然のことながら、すべての主導権を女性に奪われてしまいます。

もともと、女性というものは社会性や統治能力の高い優れた存在であることは、人のみならずあらゆる生き物を見てもわかることと思います。

その中で、社会において男性が主導権を握るために唯一持っている能力が腕力などの身体的な力であると思っています。

その身体的な力ですらも、女性に勝てなくなってしまえば、必然的に男性の優位性はなくなり、女性が優位に立った女性中心の社会となるのは必然であると思います。

ロボットなどの技術により、力がなくても生産できる時代となりつつある昨今で、男性の優位性は薄まりつつあります。

この先、ロボットやAIが人の代わりに生産する時代が来た時、男性の力による優位性は完全に失われ、ロボットによる社会性の構築やロボットを統治し使う能力に優れた女性があらゆるところの中心になっていく時代になると思います。

遠くない未来になる可能性のある、女性中心の社会とはどのようなものなのか?を一足先に見ることができ、その中で生きていくため男性には何が大切なのかの、一つの答えを見ることができるところに面白味を感じました。

・主人公は異世界に転生や転移していないが、異世界のようなところに行くことになる。

主人公が住んでいるのは普通の日本なのだが、突然開いた門を越えてしまうと、地獄といわれても信じられるような異空間に行ってしまいます。

魔都と人々が住んでいる世界を常時つないでいる門が存在しており、その門を魔防隊が管理している。

だが、たまにランダムに開かれる門があり、その門を不運にも人が通ってしまい、神隠しのような状態になったり、逆に門から醜鬼が人々の世界にあふれ出し、人を襲うようなどの魔都災害が発生します。

優希も魔都災害の被害者になる寸でのところを京香に助けられて、奴隷兼寮の管理人としてスカウトされ、魔都での生活を始めます。

今までの生活がガラッと変わってしまう作品は、異世界への転生や転移の話が多い中、この漫画は主人公が転生や転移といったことにならず、出だしから主人公が一度は亡くなるといったネガティブなことになりません。

人の人生の境遇は、一度死んで住む世界が変わらないと変えることができないわけではなく、生きていながらでも、どこかに落ちている変化の種を探し当てて、今までとは違った世界に行くことができるんだと思わせてくれるところが面白い作品だと思いました。

・主人公の特技が炊事洗濯や裁縫などの家事全般。

優希は姉の指導により、炊事洗濯から裁縫、マッサージなど家事のみならず、女性をサポートし癒すためのあらゆる技術を身に着けています。

男性が社会の中心にいた時代には、女性が家のことなどの家事全般を行っていましたが、女性が社会の中心になった時にはその関係性が逆転することを描いています。

となると、男性の稼ぎだけで生活を完全に支えることのできず、共働きが社会の中心となりつつある現在で、家事のすべてを女性が行うのは相当に矛盾している感じています。

男性が社会の中心の時は女性が家のことを行い、女性が社会の中心の時は男性が家のことを行うのであれば、夫婦共働きが社会の中心となれば、家のこと夫婦で分担し分け合う必要があるのだろうなと考えさせられるところに面白味を感じました。

・ハーレム状態になるが、主人公に主導権がない。

異世界転生や転移もので作られるハーレムは基本的に中心にいる男性が主導権を握っていることがほとんどである中で、この漫画の主人公は魔防隊全10組の中たった一人の男性という完全なハーレム状態です。

ハーレム状態ではあるが、優希は京香の奴隷であり、魔防隊七番組の寮の管理人という立場でまったくもって主導権を握れる状況にありません。

1巻から2巻あたりでは優希の人権すら危うい状況であり、主導権がどうのといえる状態ですらないことにほかの作品とは一味も二味も違った形のハーレムで、優希の待遇がどのように変わっていくのかなといったところが面白と感じる作品です。

美女が男性奴隷を従えて、醜鬼という怪物と戦うヒロイン戦闘の作品で、いろいろなタイプの女性がでてくるとても賑やかで楽しい作品です。

興味のある方は一度、読んでみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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